日本は、近々新型コロナ感染者が1日当たり20万人以上になる可能性あり

f:id:aahhpp:20220405125353p:plain

(本内容は2022年4月1日(金)までのデータを基にし、前回からは約5ヶ月半経過している)

1.今年(2022年)に入ってからの感染者の大幅増加

昨年の秋には大幅に減少した日本の新型コロナ感染者は今年になって大幅に増加し1日あたり最大で10万人,東京都で2万人を超えるような状態となってしまった。

理由として以下が挙げられている。

  • 感染力の強いオミクロン型の流行
  • ワクチンの2回目接種から4~6か月以上経過し免疫力の落ちた人の増加
  • 現行のワクチンがオミクロン型に対して今一つ有効性が低い

しかし、もう一つ重大な理由があるそれは今までアジア地域の住民が新型コロナウイルスに対して有していた潜在的な免疫(交差免疫)がオミクロン型に対しては有効でないということである。そして韓国、タイ、ベトナムなど従来は欧米などと比較して感染率がずっと低かった国が高い感染率を示している。現在、感染率の世界のトップは韓国である。そして中国も少ないながら徐々に感染が増加している。

 

f:id:aahhpp:20220405125454p:plain

日本も感染者数と死亡者数の大幅な増加となった。統計データによって多少の誤差はあるがそれぞれ7日間平均のピークの値を示す(データには曜日による偏りや報告調整があるため1日ごとの値より7日間平均の方が傾向を正しく伝える)。

全国感染者数のピーク

  2021年 (8月26日) 23075人 

  2022年 (2月11日) 94650人

全国重症者数のピーク

  2021年 (9月8日)   2206人

  2022年 (2月25日) 1507人

全国死亡者数のピーク

  2021年 (5月24日) 115人  (第4波の方が第5波より多い)

  2022年 (2月26日) 233人

今年の重症者数のピーク値は昨年ピークの約3分の2である。オミクロン型の重症化率が低いことの表れだが死亡者数はオミクロン型の方が約2倍となっている。これは不思議だがオミクロン型による感染で持病が悪化して亡くなる人が多いという説明が専門家からされている。従って、単純にオミクロン型は重症化率が低いという認識は持病がある人にとっては危険である。

2.今後、感染者拡大の予想

日本の第6波は2月上旬くらいにピークアウトしたが感染者数は3月下旬に下げ止まってしまった。対数グラフを見るとこの間の下げは緩やかであり次の上昇の準備段階のようにみえる。韓国などの例をみても近々大きく上昇し、1日当たりの感染者が20万人以上(東京都では3万人~4万人以上)になる可能性がある

3.オミクロン型を恐れる理由

筆者は昨年までは、新型コロナウイルスの感染に関して悲観的な見通しは持っていなかった。大きな理由はアジア地域の住民がコロナウイルスに対して潜在的な免疫を有していることが各国の感染データから読み取れたからである。そして専門家の過剰な感染予想に疑問を表明してきた。その疑問は正しかったと言える。しかし、オミクロン型は従来の新型コロナウイルスとは別種と考えなければならない。確かに重症率は低いが感染率が高いので死亡者数は多くなる。感染対策の最終目標は死亡者数を抑えることである。問題なのは繰り返しになるがアジア地域で感染率が極めて高くなっていることである。しかし、その点を強調する専門家はあまりいない。これは、専門家が欧米のデータは重視するがアジアのデータは軽視ないし無視しているからであろう

 

4.空港検疫データに注意すべき

感染予想に当たっては厚労省が毎日発表している空港検疫データに注意すべきであろう。このデータは日本に入国する全員を対象に検査しているので大変参考になる。入国者の陽性率は、昨年までは概ね0.3%から0.5%くらい、例外的に1%くらいであったが、今年に入り5%以上と異常に高い値になりオミクロン型の大流行となった。4月1日現在は1%強と減少しているが昨年よりは高い値である。今後、3%以上の日が何日も続くと爆発的な感染の予兆となる。

 

参考までに2021年からのアメリカ、韓国の新規感染者数(7日平均)のグラフ(対数)を載せる。今後の感染動向に注目したい

f:id:aahhpp:20220405125549p:plain

 

 

f:id:aahhpp:20220405125618p:plain